不動産を貸し付けたときの税金 - 不動産所得(所得税・住民税) -

不動産を貸し付けたときの税金 -不動産所得(所得税・住民税)-

必要経費

必要経費の範囲
必要経費とは不動産収入を得るために必要な費用をいい、次のものがあります。
  • 賃貸不動産の固定資産税
  • 賃貸住宅に係る損害保険料
  • 賃貸住宅の減価償却費
  • 賃貸住宅の修繕費

したがって、不動産オーナーの個人的な生活費(家事費)は、必要経費とはなりません。さらに、生活費以外の費用であっても、不動産賃貸業に関連のない費用は必要経費とはなりません。たとえば、賃貸をやめたアパートの購入にかかる借入金利子は、不動産所得の必要経費とは認められません。

修繕費の扱い
賃貸物件の修繕費については、支出した金額を、それまでの物件の価値を維持するためのものと、物件の価値を高めるものとに区分します。このうち、維持にかかるものについては修繕費として必要経費に算入されますが、価値を高めるものについては、「資本的支出」とされて、取得原価に算入して減価償却で経費化することになります。
この修繕費と資本的支出の区分は、おおむね次表により判定することができます。

減価償却

減価償却とは、建物や設備等の減価償却資産の取得価額を一定の方法によって各年分の必要経費として配分していく手続です。

減価償却方法には、主に定額法と定率法があります。このうち、平成10年4月1日以後に取得した建物の償却方法は、定額法のみとなります。建物以外の減価償却資産については、どの方法によるかは届出が必要です。例えば、新たに業務を始めた場合には、減価償却の方法を選定してその翌年の3月15日までに所轄の税務署長に届け出なければなりません。この届出をしないと、法定の償却方法(通常は定額法)になります。

減価償却の方法を変更しようとするときは、その変更しようとする年の3月15日までに所轄の税務署長に申請書を提出してその承認を受ける必要があります。

なお、使用可能期間が1年未満のもの又は取得価額が10万円未満のものは、その取得に要した金額の全額を業務の用に供した年分の必要経費とします。

取得価額が10万円以上30万円未満の減価償却資産については、一定の要件のもとで減価償却によらず、一定額を必要経費に算入できる特例があります。

  • 定額法
  • 減価償却費=取得価額×0.9×定額法の償却率

  • 定率法
  • 減価償却費=未償却残高(取得価額-前年までに償却した額)×定率法の償却率

    なお、年の中途で取得した資産の減価償却費は、その年の使用月数に応じた分だけです。使用月数は暦に従って計算し、1か月未満の端数があるときは切り上げます。

土地・建物の取得原価の区分方法

賃貸マンションの購入のように土地と建物を一括して取得する場合、土地と建物の取得原価を次のように区分します。

  • 消費税に基づいて区分する方法
  • 売買契約書に記載された消費税等の額を基に建物部分の価額を算定することができます。消費税等は建物の譲渡にのみかかる税金なので、この消費税等の額を5%で割り戻した金額が、建物の取得価額だからです。

    建物の消費税額×消費税の税率(0.05)/1+消費税の税率(0.05)=建物の取得価額

    しかし、購入した先が個人であれば、消費税等の記載がありませんので、次の「その他」方法により土地と建物の取得価額を区分する必要があります。

  • その他
    1. 土地の価額が明らかである場合は、一括取得価額-土地価額=建物価額とします。
    2. 中古物件の場合は、相続税評価額・公示価額や建築費統計等を参考に土地と建物の見込時価を算定し、その見込時価を基に一括取得価額を次の算式で按分計算した金額を建物取得価額とします。
    3. 一括取得価額×建物の見込時価/(土地の見込時価+建物の見込時価)=建物価額

賃貸不動産の取得費用の区分
不動産所得の必要経費とされるもの
  • 登録免許税
  • 不動産取得税
  • 取得土地の測量費用
  • 借入日から賃貸開始日までの期間の利息(既に不動産賃貸業を営む場合)
  • 賃貸開始日以後の利息
土地や建物の取得価額に算入されるもの
  • 取得代金、取得時に支払った仲介手数料
  • 買主負担の立退料等、取得土地の測量費用
  • 借入日から賃貸開始日までの期間の利息(新規に不動産賃貸業を開業した場合)
  • 借入日から賃貸開始日までの期間の利息(既に不動産賃貸業を営む場合)
  • 未使用不動産にかかる利息

※不動産所得の必要経費または土地や建物の取得価額算入のどちらでも選択可能です。

 

不動産所得(所得税・住民税)

損益通算