Market 不動産業界

業界の動向

不動産業界の「これまで」と「これから」

「所有」から「活用」の時代へ

不動産業界にとっての大きな転機は、1990年代のはじめに訪れました。いわゆる「バブル崩壊」と呼ばれていますが、土地の価格は上がり続けるものという神話が崩れ、地価の大きな下落が見られました。それまでは不動産を保有し続けるだけで、その価値も上昇してきましたが、地価の下落が続けばそう呑気に構えてはいられません。保有資産を有効に活用することによって、収益を生む資産へと変えていかなければならなくなったのです。「所有」から「活用」の時代へ。この後、不動産市場は大きな変化を経験していくことになります。
「バブル崩壊」によって低迷したのは、地価ばかりではありません。日本経済も長く深い低迷期に入っていくことになります。多くの企業が売却すれば損失となる不動産資産を抱え、その処分にも頭を悩ませました。しかし一方では、低金利政策が続くなか、急激な下落を経験した不動産への投資が、高い利回りを確保できるとして見直されるようになりました。特に注目されたのが、不動産の証券化という新しい手法を用いた投資ビジネスです。オフィスビルなどの賃料収入に注目し、そのキャッシュフローを得ようとする投資が、盛んに行われるようになり、不動産投資信託(REIT)などの運用会社が、国内外の投資家から多大な投資を募る状況が生まれ、ファンドバブルと呼ばれるほどに活況を呈しました。

リーマンショックを乗り越えて

しかし、そんな活況も長くは続きません。サブプライムローン問題に端を発したリーマンショックで、世界経済は大きな打撃を受けることになります。わが国の経済や不動産業界にも大きな影響を及ぼしたことは言うまでもありません。しかし、ひとたび定着した不動産の「所有」から「活用」の流れは、変わることはありませんでした。その時々の環境変化に柔軟に対応しながら、不動産業界各社が自らに課した変革によって、市場変化に左右されにくい体質を培ってきたからです。
さらに2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催が決定し、不動産業界はいま、さらなる成長が見込める状況へと変化しつつあります。企業業績の回復によって、オフィスなどの不動産需要が拡大。為替相場の影響もあり、国内外の投資マネーが日本の、特に都心の優良不動産へと向かう傾向が顕著にあらわれるようになっています。また、景気に下支えされるように地価をはじめ不動産の価格も上昇傾向にあることから、企業がこの機に保有不動産を売却しようとする動きも増え、市場はますます活況を呈することが予測されています。

新築マンション 賃料 (新築補正値)

中古マンション 賃料 (築10年補正値)

※上図は、都心5区(千代田区、中央区、港区、新宿区、渋谷区)における新築/中古マンションの賃料水準の推移を示すものですが、確実な賃料の上昇傾向が見られます。

※住宅マーケットインデックス2016年上期版より引用