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(左)インターナショナルブランドホテル「ヒルトン横浜」
(右)オフィスビル「Kタワー横浜」
ヒルトン横浜 総支配人
木村 卓也 氏
株式会社ケン・コーポレーション 横浜支店
部長/支店長 黒岩 弘幸 氏
取材協力:ヒルトン横浜
日本のみならず、世界の音楽シーンに新風を巻き起こしたKアリーナ横浜の誕生から早くも2年余。複合開発ミュージックテラス内にはKアリーナ横浜に加え、ヒルトンブランドのホテルとして横浜に初めて登場した「ヒルトン横浜」、オフィスビル「Kタワー横浜」がありますが、こうした異種の施設が同一敷地内に存在するのは世界でも珍しいこと。単なる複合化を超えた高い相乗効果の可能性をヒルトン横浜の総支配人・木村卓也さんとケン・コーポレーション横浜支店長の黒岩弘幸さんの対談からお伝えします。
黒岩 弘幸さん(以下敬称略、黒岩) 2023年9月の開業から2年8か月(2026年4月取材時)経ちました。現在の稼働率、人気についてお聞かせください。
(左)ヒルトン横浜 総支配人 木村 卓也氏
(右)株式会社ケン・コーポレーション 横浜支店 部長/支店長 黒岩 弘幸氏
木村 卓也さん(以下敬称略、木村) 開業から半年ほどは基礎を固めようとあえて稼働率を上げず、お客様に対するサービスに専心していました。若いスタッフたちが多いのでトレーニングの意味もあって抑えていたのですが、成長が著しく、半年過ぎたところから稼働率100%を目指す体制に。現在、年間の稼働率は平均80%。ヒルトン横浜を起点にビジネス、観光へという方が増えました。
ことに欧米からのお客様を中心に、インバウンド比率が40~50%というのがうれしいところ。横浜初のヒルトン、その信頼、安心の大きさを感じています。
黒岩 東京ですとインバウンド比率は70~80%。今はもう80%は行っているでしょうか。ですが、横浜では平均が20~30%ほど。その中で40~50%をキープしているのは驚きです。訪れてみるとレストランなどにも海外からのお客様が多く、建物内には他とは異なるインターナショナルな雰囲気がありますね。
7.2Mのボトルタワーがそびえ立つメインバー「Bar & Lounge Melody」
木村 ヒルトン自体は、東京はもちろん、全世界にありますが、会員の皆さまはその中からホテルの特徴を見て、自分のお好みを選ばれています。同じブランド内に競合があるわけで、なかなか厳しいところがあるのですが、そこでも選ばれていると実感しています。
現時点で全宿泊者のうち、50%がヒルトンの会員プログラムの会員さま。しかも、リピーターが多いのが特徴です。会員は宿泊時に履歴が出てくるようになっているのですが、それを見ると開業以来の2年8か月で、すでに70回、80回と宿泊されている方も多く、中には三桁というお客様もいらっしゃいます。
黒岩 それはすごい記録ですね。ファンの皆様に選ばれている理由を教えてください。
木村 まず、立地が挙げられます。単に利便性が良いだけではない、リラックスもできる場所に立地しているという点です。
横浜市自体がアーバンリゾートを掲げてブランディングを進めていますが、ヒルトン横浜の立地はまさにその言葉通り。目の前に水辺があり、緑があり、その中央を貨物線が走り、さらに高層ビルも。時間帯によっては飛行機や船なども通る。自然と都市が交わる景色は横浜でも他の場所にはないと思います。
ホテルの場合、住宅と違って向きにはあまりこだわらないものなのですが、ヒルトン横浜は水辺が北向きの部屋の前にあり、光り輝く南側を楽しめます。眩しさ、暑さを感じずに眺望だけが楽しめます。
ヒルトン横浜 客室
ホテル北側からの眺望
黒岩 みなとみらいエリアは海に近いので、多くの方はこの地域の建物なら海の眺望、水辺の風景が楽しめるものと思われているのですが、実は水辺を感じられるような建物はごくわずか。その意味ではヒルトン横浜はみなとみらいの中でも希少な存在。横浜の街全体を象徴するような風景が楽しめる立地ではないかと思います。
木村 しかも、昼と夜の顔が全然違うという点もこの立地の魅力です。昼は青い空と水と緑が印象的ですが、夜には高層ビルのネオンが美しく輝きます。夜景では東京タワー、東京スカイツリーまで見渡せ、これは絶景です。東京にも夜景がきれいな場所は多数ありますが、それが広大な風景として楽しめます。建物が立て込んでいる東京の眺めとは一味も二味も違う、豊かな気分です。
眺望でいうともうひとつ、面白い魅力もあります。ホテル北側からはKアリーナ横浜が見下ろせるのでコンサートを目的に宿泊される方々は北側を希望されます。逆に南側は横浜アンパンマンこどもミュージアムに隣接し、開けた眺望が得られるため、ファミリー層を中心にご要望の多いお部屋位置です。ホテルの部屋から眺望で推し活ができるのは珍しいのではないでしょうか。
木村 また、食の魅力も大きなポイントです。私どもケン・ホテル&リゾートホールディングスは食に力を入れており、既製品を使わず、ほぼ全てを厨房で手作りしています。地産地消にも力を入れており、主に横浜卸売市場などから新鮮な魚類等を仕入れ、それを提供しています。
そのおかげで館内のAllday Dining Paradeのランチは連日ほぼ満席。1日平均150人の方にご利用いただいています。ディナーでは80~90人というところでしょうか。宿泊の方だけでなく、近隣の皆様からも選ばれています。
Allday Dining Parade
黒岩 手間をかけて仕入れ、調理していることが高く評価されているということですね。
木村 そうです。季節に応じてソースや添える野菜を変えるなど日々工夫を凝らしているので、同じメニューにも新鮮な驚きがあり、何度通っていただいても飽きません。
Bar & Lounge Melodyでは午後、アフタヌーンティーを提供していますが、ここでは季節の果物がメインなので季節ごとにメニューが変わります。それを楽しみに訪れてくださる方も多く、平日午後でも30~40人のご利用があります。これがKアリーナ横浜でコンサートがある日ともなるとお待ちいただくこともあるほどです。
大人のための洗練されたバーラウンジ「Bar & Lounge Melody」
黒岩 宿泊予約サイトReluxで2025年の朝食の美味しいホテルベスト10に選ばれたそうで、朝食も話題ですね。
木村 朝食のブッフェでは150種類を超すメニューを用意しています。とても1回では食べきれないと何度も朝食を楽しみに訪れる方もいらっしゃいます。ライブキッチンでの調理はそのものがエンターティメントのひとつ。朝から元気になれる場です。
木村 ヒルトン横浜は平均年齢28歳の若いスタッフが中心で、その元気溢れるサービスもお客様に選ばれている要因のひとつと考えています。若いスタッフが一生懸命働く姿、笑顔がお客様に好印象を与えているのだろうと。
リピーターのお客様は若いスタッフの成長度合いを楽しみに見守ってくださっており、お客様に育てていただきながら、日々成長しているのだと実感しています。元気、活気という意味では隣にKアリーナ横浜があることは大きいですね。
笑顔で迎える若手スタッフ
元気と誠実さを備えた若手スタッフ
黒岩 週末には2万人の方々がこのエリアを訪れます。その盛り上がりがホテルに影響を与えているということでしょうか。
木村 そもそも2万人収容のコンサートホールの横に340室規模のホテルが建っているという例は国内を探してもそうはありません。コンサートの熱気を保ったまま、ファンの人達がホテルを訪れることでホテルの中にもその熱気が伝播します。バーで話が弾み、明るく盛り上がる様は隣で見ていても気持ちが高揚するというもの。ホテルには活気は大切な要素です。
一帯の空間を華やかにしてくれる「ミュージックテラス」
木村 もうひとつ、ホテル全体のちょうどいいコンパクトさも心地よさ、使いやすさに繋がっていると思っています。終日使えるダイニング、スペシャリティレストラン、バー&ラウンジにバンケットなどホテルに求められるものはすべて揃っていますが、極端に大きくはないサイズで、お客様は自分のテリトリーとして認識しやすいのではないかと思うのです。
1日の中でお客様とのタッチングポイントが多数ありますから、自然とお客様に目が届き、お一人おひとりとの接点を無理なく持つことができます。このような規模感が、訪れる方に安心感と親しみやすさを与え、何度も足を運びたくなる理由のひとつになっていると思っています。
黒岩 規模が大きくなると互いが見えにくく、サービスが機械的になることがあり得ますが、ヒルトン横浜はそうならない、人と触れ合えるサイズ感ということですね。
木村 そうした関係は今後、さらに大事になってくるのではないかと思っています。省力化、効率化に加えて今はAIが様々な分野に進出しています。でも、旅先で何を求めるかといえば誰かと笑顔を交わす、挨拶をするということ。このホテルにはそれがあります。
黒岩 そのヒルトン横浜の隣にオフィスビル・Kタワー横浜があります。オフィスに入居されている企業の皆さんはどのようにホテルを利用されているのでしょうか。
木村 3種類あります。ひとつは会議と宴会、二つ目は宿泊。そして三つ目がレストラン、バーの利用で、海外からのお客様の場合にはそれらを合わせてご利用いただいております。大事なお客様をもてなすとなれば、それにふさわしいホテルをという選択です。お泊りになられる方にしても世界で知られたホテルですから安心です。ご利用いただいている企業様からは実際にそうしたお言葉を頂いています。
4つの宴会場と多目的で利用できるホワイエ
ホテル最大のバンケットルームA
ヒルトン横浜は羽田、成田の両空港からも近く、特に羽田空港は近い。そこで空港からホテルに入り、昼間は訪問先の企業と打ち合わせ、会議をして、終了後はこちらに宿泊。場合によってはホテル内で会食をしたり、ゆっくりくつろいだり。特に長期で滞在される場合のご利用が多いですね。
会議については訪問先の企業様でということもあれば、他の企業様を招いての打ち合わせでホテル内のミーティングルームをご利用くださることもあります。
食事ではランチで軽い顔合わせ、ある程度の人数での懇親会と人数やシチュエーションによって利用はさまざま。Allday Dining Paradeは180席近くあり、終日利用できますから、いかようにもご要望に応じて使っていただけます。もう少し改まった、外部の人なども招いた会であれば2室あるバンケットルームもお使いいただけます。
また、懇親会の後、Bar & Lounge Melodyで生演奏を楽しみながらさらに親交を深めていただくことも。Melodyでは月曜日と火曜日がピアノ、水木金日はボーカル、土曜日はDJなど、365日毎日生演奏が入っています。しかもミュージックチャージはありません。Kタワー横浜も含め、近隣にお勤めの方々が帰りにお寄りになることも多く、常連さんも多数いらっしゃいます。仕事の後のリラックスにはうってつけだからでしょう。
黒岩 宿泊にはエクゼクティブフロアがお勧めと聞きました。
木村 高層階、22階から25階までのエグゼクティブフロアをご利用いただきますと5階にあるエクゼクティブラウンジをご自由にお使いいただけます。ここでは朝食からティータイム、カクテルタイムをご提供させていただいており、限られたお客様だけでゆったりと過ごしていただけます。営業時間内ならチェックイン、チェックアウトもこちらで対応させていただいております。
5階 エクゼクティブラウンジ
ウォーターフロントで開放的なテラス席
黒岩 ご招待したお客様に安心してリラックスした素敵な時間を過ごしていただけるわけですね。
木村 はい。しかも、東京に比べると同じ広さ、サービスで東京とは異なる魅力があり、料金としてはかなりお手頃。その点からも選ばれています。オフィスのお隣に滞在していただけるのであればお客様にご負担を掛けずに済みます。仕事も順調に進むのではないでしょうか。
黒岩 せっかく、オフィスとホテルが隣接しているのですから、そこで良い連携ができればと思っています。少しずつ使われてきている様子ですが、もっとこの魅力が広く伝わるようになって欲しいところです。
Music Terrace(Kアリーナ横浜・ヒルトン横浜・Kタワー横浜)
木村 この2年8カ月で私たちはみなとみらいといえば観覧車のあるエリアと思われていた印象を広げ、横浜駅東口エリアへの注目度を高めてきました。ランチタイムやバーの利用状況などを見ると認知度はかなり上がったと思います。ここミュージックテラスにヒルトンがあって良かったと言われるようにもなってきました。
その評価を受けてホテルで働く200名の正社員、80名のアルバイトもみな、誇りをもって働き、それがさらにホテルの評価を高めるという良い循環が生まれています。それを持続し、評価を上げ続けていくことがオフィスとの連携にも繋がっていくはず。今後はKタワー横浜のオフィス入居者の皆様ともストーリーを作っていければと思います。
黒岩 そうですね、Kタワー横浜のオフィスにご入居されている皆様とも、ホテルを通じたさまざまな関わりを重ねながら、それぞれのストーリーを紡いでいけたら素敵だと思います。コンサートホール、ホテルと同じ敷地内にあるオフィスは世にそれほどあるわけではありません。異なる施設がある強みを活かして相乗効果を生み出していけるようにしたいところ。今後も連携を深めていきましょう。本日はありがとうございました。
掲載中の施設名・駅名・社員の所属などの情報は2026年5月現在のものです。
みなとみらいのウォーターフロントに位置するラグジュアリーホテル。洗練された客室からは美しいベイビューが広がり、上質なくつろぎの時間を提供します。多彩なレストランや充実した施設に加え、観光やビジネスにも便利な立地で、特別な滞在体験を叶えます。デザインコンセプトは、横浜の街並みを象徴するアール・デコの美意識を現代の感性でアップデートさせた「Yokohama Déco」。
東京情報堂代表。街選びのプロとして首都圏のほとんどの街を踏破した、住まいと街の解説者。早稲田大学教育学部で地理・歴史を学び、卒業後は東洋経済、ホームプレス、東京人その他の紙、ウェブ媒体で編集者、ライターとして記事、書籍等を手がけており、主な著書に「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)、「解決!空き家問題」「東京格差」(ちくま新書)その他著書、かかわった本多数。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。宅地建物取引士、行政書士有資格者。
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