不動産投資の利回りの見方や相場の調査方法・注意点を解説

不動産投資をおこなうにあたり、投資判断の重要な基準として用いられるのが利回りです。初心者の方や経験の浅い方だと「利回りがどれくらいあれば良いのかわからない」「利回りがどのような数値かよく理解できていない」という方も少なくないかもしれません。

この記事では、不動産投資が節税につながる仕組みや節税できる税の種類、節税するにあたっての注意点などを解説* します。
*税率などは2023年12月時点のものです。実際の税処理・現在の税率などは税理士または管轄税務署にお問い合わせください。

1. 不動産投資の「利回り」とは

不動産投資における「利回り」とは、投資対象となる物件の投資金額に対して1年間に得られる収入額の割合のことです。物件の収益性を測る指標の一つとして重視され、投資金額はなるべく低く、年間収入はなるべく高いほうが、利回りの高い物件となります。

高利回り物件=高収益物件として魅力的に映りがちですが、利回りはあくまでも投資判断における基準の一つに過ぎません。利回りだけで物件の良し悪しを判断しないことも重要です。

2. 利回りの種類と計算方法

投資金額・物件から得られる収入のとらえ方や入居率の設定の違いにより、利回りには「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」「現行利回り」の4種類があります。それぞれの特徴と計算方法をご紹介します。

2.1. 表面利回り

表面利回りはグロス利回りとも呼ばれ、物件価格に対して1年間に得られる賃料収入の割合を指しています。不動産会社の広告などで記載される利回りの多くは、この表面利回りです。
表面利回りは次の計算式で求められます。

表面利回り=物件の年間賃料収入÷物件価格×100

表面利回りは簡単に計算でき、物件価格に対する表面的な収益性を見るには適しています。一方、取得時の諸経費や運用中にかかる維持費などを考慮していないため、より精緻な投資判断をするには実質利回りを確認しましょう。

2.2. 実質利回り

諸費用を考慮に入れない表面利回りに対し、物件取得に際してかかる諸経費や運用中の諸費用も含めた収益性を表す指標が実質利回りです。
実質利回りは次の計算式で求められます。

実質利回り=(物件の年間賃料収入–物件の年間諸費用)÷(物件価格+取得時の諸経費)

賃料収入から管理運営コストなどの費用を差し引いたものが、不動産投資で最終的に得られる利益です。物件の維持管理にかかる費用を考慮に入れた実質利回りは、表面利回りよりも実態を反映した指標といえるでしょう。

2.3. 想定利回り

利回りは空室率をどうとらえるかによっても分類できます。想定利回りとは、物件が満室稼働であると想定した場合の表面利回りのこと。
次の計算式で求められます。

想定利回り=(年間想定賃料+年間共益費等)÷物件価格×100

実際には常に満室稼働というのは考えにくいため、想定利回りは理想的な賃貸経営ができた場合の理論値と捉えたほうが良いでしょう。

2.4. 現行利回り

現行の空室率を考慮し、実際の賃料収入から求める表面利回りが現行利回りです。物件から現に得られている収入をもとにしているため、想定利回りよりも実態に即した数字といえます。
現行利回りの計算式は次のとおりです。

現行利回り=(年間現行賃料+年間現行共益費等)÷物件価格×100

4種類の利回りはどれが良い・悪いかではなく、種類ごとの根拠をしっかりと把握したうえで、状況に応じて適した種類の利回りを確認することが重要です。

3. 利回りの相場を知る方法

利回りは地域や物件種別によって大きく異なるため、投資を検討している地域の利回り相場を把握する必要があります。相場と比較して明らかに利回りが乖離している物件は要注意です。

地域の利回り相場を知るのに有効な指標が、期待利回り(キャップレート)です。キャップレートは、

年間NOI(賃料収入から管理費用や税金などの諸経費を除いた純収益)÷物件価格

で求めることができ、対象地域への投資を検討している投資家がどれくらいの利回りを期待しているかを表します。

上記の計算式を踏まえると、年間NOI÷キャップレートで物件価格が求められるということ。よって、物件価格が高い都市部になるほどキャップレートは低くなります。

投資を検討しているエリアの利回り相場を確認するにあたっては、その年のキャップレートだけでなく、前後の年の数値もチェックしておきましょう。経年による変化を見ることで、エリアの価値が上昇傾向なのか下降傾向なのか、大まかなトレンドを把握できます。

4. 不動産投資の理想的な利回りは?

投資物件を選ぶ際、どれくらいの利回りがあれば良いのか知りたい方も多いでしょう。しかし、理想的な利回りというのは一概にいえません。前述のように地域ごとで利回り相場が異なることに加え、物件の種類や土地購入の有無、建物構造などによっても基準となる利回りが異なるからです。

最終的に投資するかどうかを判断する際は、次のようなポイントに注目すると良いでしょう。

● 築年数(古すぎる物件は検討対象から外す)
● 立地(オフィスや住居として賃貸ニーズが見込めるか)
● ランニングコスト(運用にあたって継続的にかかる費用の額)
● 大規模修繕計画・修繕履歴(将来の大規模修繕への備えができているか、適切なメンテナンスがおこなわれているか)

利回りだけでなくこうした要素も考慮して、投資に値する物件かどうかを見極める必要があります。

5. 利回りを見る際に注意すべきこと

収益性の指標となる利回りですが、正しい理解のもとに活用しないと判断を誤るリスクもあります。利回りを読み取る際に注意すべき点を2つご紹介しましょう。

5.1. 利回りの種類

前述のように利回りには4種類あり、どの利回りを見るかによって検討している物件の見え方が変わることも少なくありません。例えば、表面利回りは高い物件でも、建物の維持にかかるコストが高いために実質利回りは低いといったケースです。

利回りとひと口にいっても種類ごとに前提が異なるため、投資を検討するときは利回りの種類と根拠をしっかり読み解く必要があります。

5.2. 物件の種類と特徴

検討中の物件が投資対象として魅力的かどうかは、利回りの高低だけで判断することはできません。表面利回りだけを見ると高利回りの物件でも、築古でメンテナンスコストが高くつくために実質利回りとの間に乖離があるケースがあります。反対に低利回りであっても、人気エリアにある物件や資産性の高い物件などは価値が下がりにくいと考えられ、将来の売却が有利なケースもあるでしょう。

繰り返しになりますが、利回りは物件の収益を表す重要な指標である一方、利回りの高低だけで投資可否を判断するのは危険です。物件の種類と特徴も十分にチェックしたうえで、投資対象として適切かどうか見極めましょう。

6. 利回りについてよくある質問

ここからは、利回りについてよくある質問に答えていきます。

6.1. 高利回りの物件は良い物件?

高利回りの物件だからといって、必ずしも魅力的な物件だとはいえません。なぜなら、リスクがあって買い手がつきにくい物件や表面利回りと実質利回りの乖離が大きい物件でも、利回りが高く設定されることがあるからです。

利回りを計算する際の分母は物件価格なので、価格が安いほど利回りは高くなりやすいものです。相場より明らかに高利回りの物件は、賃貸ニーズがあまり見込めない、築年数が古い、心理的瑕疵がある、新耐震基準を満たしていないなど、売却しづらい要因を抱えているのかもしれません。

また、広告などでうたわれる表面利回りが高くても、メンテナンスコストが大きくかかれば実質利回りは低くなってしまいます。

高利回り=魅力的な物件と短絡的に考えるのではなく、実際に現地を訪れたり、エリアに強い不動産会社から情報収集したりするなど、投資用物件としてのリスクはないかを十分に確認することが大切です。収益性は実質利回りのシミュレーションでチェックしましょう。

6.2. 実質利回りを計算する際の費用を知りたい

実質利回りの計算では、購入時の諸経費を購入価格にプラスするとともに、運用にかかる諸費用を年間賃料収入から差し引く必要があります。

購入時の諸経費および運用中の諸費用に含まれるのは、おもに次のような項目です。かかる可能性のある費用をできる限り漏れなく考慮することで、より実態に合ったシミュレーションが可能となります。

6.2.1. 購入時の諸費用に含む項目

 ● 不動産仲介手数料(仲介会社へ支払う手数料)
 ● 登記関連費用(司法書士への報酬、登録免許税など)
 ● 火災保険・地震保険料
 ● 不動産取得税
 ● 印紙税(各種契約書に貼付して支払う税金)
 ● 融資手数料(ローンを組む際に金融機関へ支払う手数料)

6.2.2. 運用中の諸費用に含む項目

 ● 固定資産税、都市計画税(1年ごとに納付)
 ● 水光熱費(共用部の費用)
 ● メンテナンス費(点検、修繕、リフォームなどにかかる費用)
 ● 管理委託費(管理会社へ支払う費用)
 ● 火災保険・地震保険料
 ● 修繕積立金(大規模修繕に備えるためのお金)
 ● 交際費、通信費、出張費など

6.3. 投資を検討中の地域の期待利回りを知りたい

投資を検討しているエリアにおける期待利回りを確認するには、調査資料をチェックする、不動産投資情報サイトでエリアの物件を検索して利回りをチェックする、などの方法が有効です。

エリアごとの期待利回りの調査資料として代表的なのが、一般財団法人日本不動産研究所が公表している「 不動産投資家調査 」です。1999年4月から月ごとに実施されており、会員登録すれば過去データも閲覧可能です。経年変化も確認できます。

7. 不安があるなら不動産投資のプロに相談してみよう

不動産投資において収益性を測る指標として重視される利回り。利回りには「表面利回り」「実質利回り」「想定利回り」「現行利回り」があり、種類ごとの特徴や根拠を理解したうえで活用する必要があります。

高利回り物件だからといって、投資対象として魅力的とは限りません。実質利回りをシミュレーションしつつ、物件の種類や特徴もチェックし、投資に適した物件を見極めましょう。

ただ、初心者の方や経験の少ない方だと、投資向きの物件を選ぶのは難しい場合もあります。少しでも不安があるなら、まずは不動産投資のプロに相談するのがおすすめです。

ケン・コーポレーションでは、安定性や資産性に優れた東京都心の高級マンション投資に取り組む方をサポートしています。高級賃貸のリーディングカンパニーとして豊富な実績を持つケン・コーポレーションだからこそ、市場動向や今後の見通しも踏まえた適切なアドバイスが可能です。

不動産投資に関して不安や疑問を抱えている方は、ぜひお気軽にケン・コーポレーションまでご相談ください。

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