Story Vol.27

トップを狙ってチームでプロジェクトを推進、
一戸建ての魅力を最大限に生かしてここにしかない住まいを

住宅賃貸 賃貸住宅企画
企画部
渋谷代官山支店

メゾン目黒 外観

「トライアングルのトップを狙う」メゾン目黒のオーナー、Sさまの言葉は明瞭です。そのために一戸建ての魅力を徹底的に追及、企画立ち上げの時点から営業、管理部門とチームを組んでプランを検討。投資を最大化する努力を惜しみません。その結果として生まれた美しい住まいを見学しながらSさまの強い信念を伺いました。

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この記事のポイント

  1. これまでの経験と知見を生かし、一戸建ての可能性を追求
  2. 一戸建てだからこそ実現できる空間に、暮らしを楽しむ工夫をプラス
  3. 各部門との連携により、長期的な価値を見据えた住まいづくり

知見と発想を重ね、住まいの個性を生み出す

今回、見学にお邪魔したのは目黒区目黒にある一戸建て、メゾン目黒。ケン・コーポレーション企画部と一緒に進めたプロジェクトで、目黒通りから少し入った住宅街の中に立地しています。

外観デザイン

外観デザイン

「この土地はもともとは母方の祖父が居住していた土地で、しばらく駐車場として使っていましたが2026年に一戸建てを新築しました。2018年に父から会社運営を引き継いで以降、ケン・コーポレーションさんとご一緒した第3弾の物件で、これまでの物件の知見、経験を盛り込んで作りました」

建物の外観でまず目に付くのは2階の壁面いっぱいに広がる縦の格子。周辺の住宅とはまったく異なる作りとなっており、目にした時点でこの家の内部はいったいどうなっているのだろうと見る人の関心を惹きます。

1階にはシャッターのある駐車場があり、並列で2台駐車できるようになっています。玄関は建物右手、ちょっと和風な趣もある門が用意されています。

「間口もある程度ありますが、それ以上に奥行きのある土地で、イメージとしては京町家。そのイメージを設計を担当頂いた野沢誠先生にお伝えしたところ、面白いと評価いただき、数寄屋門を思わせる製品を間口に合わせてセレクトするなど随所にそのイメージを盛り込んでいただきました」とSさま。

アプローチ

アプローチ

門を抜けて入った住戸内、1階左手には最初の驚きが待っていました。公道に面したところにすでに2台分の駐車場があるにも関わらず、ここにも1台、車が停められるような空間が駐車場からフラットに続いているのです。

「一戸建ての良さのひとつは平置きの駐車場が設置できることですが、2台分設置されている物件なら他にもあり、それだけではつまらない。そこでこの物件では駐車場としても使え、それ以外にも住む人が自由に使えるマルチスペースを用意しました。

マルチスペース

マルチスペース

部屋の中から車を眺めたり、飾ったり、カスタムしたりできますし、エアコン、照明も用意してあるので、趣味の部屋として使うことも可能。給排水、ライフラインも設置済みですから、入居後に改装していただき、キッチンスタジオにするなどといった使い方も可能です」

そのために駐車スペース、廊下とはあえてガラスで仕切り、別の空間として使えるようにもしてあります。一方で床材は同じものを連続して使っていますから、季節が良い時期には仕切を開け放って空間を一体化、車を眺めながら時間を過ごすのも楽しいでしょう。駅から多少距離のある場所ですし、富裕層には車好きも多いと聞きます。こうしたこだわりが刺さる人達も少なくないはずです。

さらにSさまがどうしても導入したかったものがあります。それが天井の照明、ハニカムライトと呼ばれる六角形のLED照明です。これは車のボディやガラスに幾何学的な光が写り込み、美しく見せてくれるもので、ガレージを映画のワンシーンに変えてくれます。高輝度な光が通常の照明では気づきにくいボディの微細な傷や洗車後の拭きむらなどを浮き彫りにしてくれ、愛車をいつもベストな状態に保てるのだとか。

マルチスペース LED照明(ハニカムライト)

マルチスペース LED照明(ハニカムライト)

「オーナーの役割は入居者からは見えにくいかもしれませんが、選ばれる物件を作るために情報収集は重要。最近、デザイン性の高い店舗や工房などで見かけるこの照明は絶対に入れたいとお願いして導入してもらいました」

人によっては1階を見た時点で物件の魅力にノックダウンされてしまいそうですが、それはまだまだ早いというもの。続く驚きは2階にも待っていました。

圧巻の天井高4.2mの大空間には半戸外のアウトドアリビング空間も

リビング

リビング

2階には階段を上がった左側に13.6帖のダイニングキッチンがあり、公道側には22.1帖のリビング、その先には外から見えた格子と屋根に囲まれた半戸外のリビングともいうべきラナイがあります。

それぞれの空間の広さもさることながら、それ以上に一戸建ての良さを感じるのは天井の高さ。最大で4.2mの、集合住宅ではなかなか見ることのないボリューム。しかも、天井にはトップライトが設けられており、そこからの柔らかい光が室内を満たします。

この豊かな空間を可能にしているのは天井。あえて貼らずに作られており、見上げると屋根の形状が内側からも感じられるようになっているのです。

「私が最初にケン・コーポレーションと仕事をしたのは目黒東山コンパウンドという物件です。建替えを検討していた時期でもあり、それまでの管理契約の終了を機にケン・コーポレーションの渋谷代官山支店に連絡を入れたのが始まり。そこで同物件を建替える際、なぜ、天井を貼るのだろうと疑問に思いました。山小屋のように屋根の裏を見せれば高さが出ます。一戸建てのメリットを最大限に生かせると屋根の裏を見せるスタイルを提案し、以降、私の物件はこの形で作るようにしています」

その考えの背景にはトライアングルのトップを狙いたいというSさまの想いがあります。不動産はそこにしかないという意味でどれもオンリーワンですが、建物内に入ってしまうと内部は意外にどこも似ています。それでは頂点は狙えないとSさま。

「屋根裏まで利用した三角の大空間を作るためには空気の流れや部屋の温度管理などの面で工夫が必要でしたが、木造一戸建てと集合住宅の大きな差別化に繋がりました。そうやって最初にきちんと正しく手間や費用をかけて世界で1軒だけの家にしておけば、5年後、10年後に差が出ます。安く建てて高く貸すはできません」

リビングに続くラナイはハワイのコンドミニアムなどでベランダを指す言葉で、言ってみれば天気に左右されない半戸外の、もうひとつのリビング。格子の向こうから風は入ってきますが、壁のような圧迫感はなく、外から見られる心配もありません。水栓も用意されているので、天気を気にせずに使えます。都心なのに自然を感じる空間で、これも多くの人には初めて見るものかもしれません。ここも天井高が4mあります。

ラナイ

ラナイ

「忙しい方々に内見に来ていただくわけですから、一目見て住みたいと思わせるようなインパクトが必要です。そのためには空間の豊かさに加え、生活を楽しくしてくれるだろうプラスαもあったほうが有利。見学に来られた人達は見た瞬間からここをどう使おうかと考え始め、それがここに住みたいという気持ちに繋がっています」

もうひとつ、その気持ちを掻き立ててくれるものが広いキッチン。家族で暮らす住まいでは、キッチンの広さや使いやすさが決め手になることも少なくありません。そこで、この住まいでも特にこだわったポイントのひとつだとSさまは話します。

同物件では13.6帖あり、大きなカウンターでは蕎麦打ちなども楽しめそう。料理をしながらカウンターで勉強する子ども達を見守ることもできます。

また、ダイニングキッチンと階段部分は仕切ることもできます。仕切ってしまえば階段からリビングは直通となり、プライベート空間を分けて使えるようになります。来客の多いご家庭ではそうした使い分けができるのは便利でしょう。

キッチン

キッチン

プライバシーに配慮、縦の格子デザインを踏襲した主寝室

リビングと水回りを挟んだ一番奥にあるのが16.3帖のマスターベッドルームです。屋根の高さを最大限に活かし、折り上げ天井高は3m。

広さ、高さ以上に特徴的なのはラナイ同様に用意された縦の格子です。窓の外には隣接して一戸建てがあるのですが、庭の緑は透けて見えるものの、お互いを意識するほどには建物は見えないという絶妙なバランスとなっており、プライベートはしっかり守られています。

マスターベットルーム

マスターベットルーム

「古くからの住宅街でもあり、一戸建てで眺望を望むのは難しいこともあります。その中でも借景を感じられる、プライバシーに配慮したスタイルをということで建物正面とのデザインの連続性も含めて考えていただいたものです」

マスターベッドルームには隣接して洗面所、シャワールーム、トイレ、ウォークインクロゼットが用意されています。

「基本的には日本の富裕層を意識して作っていますが、外国人も意識してマスターベッドルームには水回りを用意しました。シャワーブースにはデザイン性、リラックス効果、柔らかな水当たりが特徴のレインシャワーを設置してあります。また、クローゼットには照明を入れるなどして使い勝手にも配慮しました」

さて、駐車場、リビングと大きな魅力に注目してご案内してきましたが、実はこの物件は細部にもさまざまな工夫が散りばめられています。

2階パウダールーム

2階パウダールーム

ウォークインクロゼット

ウォークインクロゼット

各部門の意見を集約、質とコストの両立を可能に

細部という意味で最初に目についたのはスイッチパネルなどを収めた壁面の鏡。

「このくらいの規模の住宅になると各種パネルなども多く、それがあちこちでむきだしになっているとデザイン的に美しくありません。そのため、実用性とは全く無縁のデザインの中に収め、使いやすいようにキッチン近くの壁面に設置してあります」

説明いただくまでまったく気にならずインテリアに溶け込んでおり、その自然さは驚くほど。

また、デザインだけでなく、メンテナンスを考えた工夫もあります。たとえばキッチンの壁面はすべてタイル。冷蔵庫の裏など隠れる部分もタイルです。

キッチン

キッチン

「冷蔵庫の背面は汚れが付きやすい場所ですが、タイル張りにすることで日々のお手入れがしやすく、壁紙よりも貼り替えの頻度が抑えられます。メンテナンスコストの軽減に加え、原状回復にかかる時間を短縮し、空室期間を抑えることにもつながります。こうしたことが可能なのはプロジェクト立ち上げ時から営業部門、企画部門、管理部門の担当者に入ってもらい、意見を聞きながら検討を進めているからです。営業の方は常に現場にいますから、お客様の本音のニーズをご存知なはず。企画・管理の方々はデザイン性に加え、その後の維持管理まで考慮すると、どのような建材や設備が適しているかを知っている。その知恵を活かし、自分の物件に役立ててもらう。そんなやり方をしています」

Sさまは当たり前のようにご自身のプロジェクトの進め方を説明くださいましたが、これは当たり前でも、普通でもありません。不動産プロジェクトでは、建設、査定、仲介、管理などがそれぞれ別に動き、部門を越えて意見を交わす機会が限られることも少なくありません。

その結果、対象層のニーズに応えるために必要な設備が十分に反映されないまま建設が進んだり、維持管理に手間や時間を要する設備が採用されたりすることで、募集や管理の段階で追加の対応が必要となり、空室期間にも影響する場合もあります。

そして、それが分かっていても連携してプロジェクトを進められないのは、連携には時間も手間も費用もかかるため。それでもSさまが連携を重視しているのは時間、手間、費用をかけてもそのほうが良い経営ができると信じているからです。

「部門間で連携することは完成した住まいの質を上げ、その後の維持管理にもつながりますし、同時に関わる人達には責任が生じます。となるとより良いものを作ろうとそれぞれの提案が変わってきます。コストをかけてもきちんとリターンがあるならかけるべきです」

Sさまご自身の提案によるオリジナル設備もあります。それがランドリーシューター。2階の洗面所引き出し内から1階のランドリールームに洗濯物を落とすためのもので、洗濯物を持ち歩く手間を省いてくれます。小さな工夫ですが、これは便利。Sさまの物件では他でも用意されているそうです。

ランドリーシューター

ランドリーシューター

「ケン・コーポレーションの企画部には信頼を置いていますので、全部お任せしても良いのですが、経営の責任は経営者にあります。また、チームの知恵を引き出してより良いものを作るのが経営者の手腕。私は建築や不動産に関しては素人ですが、プロによる提案を吟味、選択できると考え、こうしたやり方をしています」

ちなみに1階はマスターベッドルームの下に2個室があり、その手前にファミリー用のバスルーム、パウダールームやランドリー、トイレなどがまとまって設置されています。

1階洋室

1階洋室

1階パウダールーム

1階パウダールーム

相場の先を見据えた、住まいづくりと経営

外観から始まり、住戸内のあちこちにSさまの考えが具現化されたメゾン目黒。プロジェクトを進めるにあたってはもうひとつ、借り手を具体的にイメージするという作業も重要と考えていらっしゃいます。

「マーケティングの世界ではペルソナといいますが、どんな人がどんな家族構成でどのような日常を過ごすのかなどを細かく想定しました。特に戸建住宅は同じ物件が存在しないオンリーワンの世界。たった一人に深く刺されば良いわけですから、そこに時間をかけるのは当然でしょう」

しかし、見学に来られた方や申し込みをされた方は、Sさまが当初想定していた層にとどまらず、幅広い層に広がりました。深く考えて作られた分、共感の幅もまた広かったのでしょう。

賃料については最初の時点では周辺相場を参考にするものの、そこに左右されるのではなく、あくまでも立地と物件の質から判断したとのこと。それができるのは比類ない物件であることに絶対の自信を持っているからです。

「他の物件でもそうですが、一見周辺と乖離したような賃料でもきちんと選ばれ、かつ長期に居住いただいていることを考えると、賃料と住まいの質のバランスに満足いただけているということです。平均的な物件は相場に合わせる必要があるかもしれませんが、そこを突き抜けてしまえば、相場に左右されることはありません。そのあたりを理解するためには都心でもまだまだ数少ない、高品質な物件を見学、体感することが必要かもしれません。そうすれば一般的な賃貸住宅との違いに気づけるはずです」

オーナー Sさま

オーナー Sさま

世の中で差別化という言葉が一般的になって久しいように思いますが、不動産の世界でここまで差別化を意識、実践されているオーナーは希少でしょう。平均を見るのではなく、トップを見る。都心なら目指せるはず。Sさまの言葉に勇気を与えられる方も多いのではないのでしょうか。

アプローチ
【文・構成】中川 寛子 HIROKO NAKAGAWA

(株)東京情報堂代表。街選びのプロとして首都圏のほとんどの街を踏破した、住まいと街の解説者。早稲田大学教育学部で地理・歴史を学び、卒業後は東洋経済、ホームプレス、東京人その他の紙、ウェブ媒体で編集者、ライターとして記事、書籍等を手がけており、主な著書に「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)、「解決!空き家問題」「東京格差」(ちくま新書)その他著書、かかわった本多数。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。宅地建物取引士、行政書士有資格者。

掲載中の施設名・駅名・社員の所属などの情報は2026年9月現在のものです。

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