Story Vol.28 継承した都心の土地を次世代へつなぐ住まいに。
オーナー様の想いをカタチに、新たなマーケットを創出

2026.10.9

住宅賃貸 賃貸住宅企画
企画部
渋谷代官山支店

VILLA YUI DAIKANYAMA 外観

家族から継承した都心の土地をどのように活用、次世代に繋げていくか。お悩みの土地所有者は数多いはずです。都心の土地活用では、より多くの住戸を計画する方向で検討が進むこともありますが、本当にそれがその土地のポテンシャルを活かし、価値を最大化することでしょうか。ここでは代官山駅から徒歩圏に継承した土地に唯一無二を目指して建てられた一戸建て・VILLA YUI DAIKANYAMAをオーナー様のお言葉とともにご紹介しましょう。

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この記事のポイント

  1. 土地を受け継ぐ想いを反映した賃貸住宅計画
  2. 将来を見据えて性能・品質に徹底的にこだわる
  3. オーナー様・設計者・企画担当・営業担当が協働して理想を形に

土地を残して欲しい。親の想いをオンリーワンの住まいで実現

VILLA YUI DAIKANYAMAが立地するのは東急東横線代官山駅から歩いて数分、通り沿いにはブティックが建ち並び、建物を囲むように代官山のシンボルともいえる代官山ヒルサイドテラス、蔦屋書店を中心にした複合商業施設代官山T-SITEがあるという、代官山の中心的なエリア。今回見学させていただいた一戸建てがある一画のほとんどは、もともとオーナー様のご一族が所有されていた土地でした。

「ここは京都から上京した祖父母と家族が守ってきた土地で、事業で使用していないところは駐車場『代官山モータープール』として、長らく近隣にお住まいの方、商店経営者、レンタカー会社などに利用いただいていました。祖母が毎朝早起きして割烹着に身を包みながら無断駐車をチェックしていた姿が今でも懐かしく思い出されます。私が子どもの頃の代官山は八百屋、肉屋、魚屋、酒屋、米屋、床屋、タバコ屋があったくらいで、もちろんスーパーや本屋もなく、買い物に行くのは渋谷の東急百貨店か中目黒の東光ストア(現東急ストア)。現在、代官山ヒルサイドテラスが建っているあたりには木造住宅が建ち並び、代官山T-SITEのある場所にはアメリカの航空会社の屋外プール付きの社宅と電電公社の団地などがあって豊かな緑があふれる静かなエリアでした」とオーナーのMさま。

(左)中川寛子氏 (右)VILLA YUI DAIKANYAMAオーナー Mさま

(左)中川寛子氏 (右)VILLA YUI DAIKANYAMA オーナー Mさま

会社員として働いていたMさまが親族で運営していたパーキング用地のさらなる活用を本格的に考えるようになったのは数年前。父方の親族が都内に保有していたアパートや住宅などを引き継ぐことになったのをきっかけに、不動産経営のための情報収集を始めたのです。そのうちに代官山の土地にも取り組むべきではないかと思うようになり、2年半ほど前に退職。本格的に土地活用の道を探ることになりました。

「まずは何社かに事業提案をいただきました。そこで大きな差が出たのはマーケットをどう捉えるか。他社が近隣の賃貸マンションマーケットを参考に提案を考えているのに対し、ケン・コーポレーションの提案は周囲に影響されない新しいマーケットを自分たちで作っていくというもの。母の『この土地を残して欲しい』という想いを大事にこの先、20年、30年と家族で継承していくことを考えると周囲の動向に右往左往しなくてもよい盤石な安定経営を目指したい。そこでケン・コーポレーションとご一緒することにしました」

それにあたり、いくつか、ケン・コーポレーション企画部が手掛けた物件を見学したこともMさまの考えを後押ししました。

「たとえばJP noie 広尾 The Residenceでは広くて天井の高いリビング、ゆったりとした階段や広いバルコニーが特徴的、見学した人の記憶に残るような物件で妻とともに堪能しました。賃料も想像以上の水準だったことを覚えています。その一方で、私たちの土地の立地条件を踏まえれば、私がこれから建てる物件も十分な可能性があると考えました。実際、都心部では現在100万円台はおろか、それ以上の高級賃貸一戸建ても増えていると聞いています」

ところでMさまが事業提案をケン・コーポレーション渋谷代官山支店に依頼したのは地元であることに加え、それ以前から同支店に縁があったためでした。Mさまは受け継いだ不動産の活用を検討する中で、あるハウスメーカーから事業の提案を受けたことがあり、それに対して「この土地の可能性をより引き出す提案を」と返したところ、同社が渋谷代官山支店の川﨑方義さんに相談。想定賃料が従来案を大きく上回る提案が返ってきており、それが強く印象に残っていたそうです。

目指したのは代官山の街と調和し、30年後にも選ばれる品質・性能の高さとデザイン性、VILLA(別荘)のような開放感

VILLA YUI DAIKANYAMAの建設にあたってMさまが目指したのはこれから長期に及ぶ賃貸経営を支える「住まい手の幸福感」を意識した高品質な住まいです。

こうした住まいを実現するため、計画では快適さだけでなく、長い年月を経ても選ばれる住まいであることを見据え、代官山という街との調和から、日々の住み心地を支える性能まで、さまざまな視点から一つ一つ丁寧に検討が重ねられました。

「まずは、近隣の街並みにとけこむ建物を目指しました。親戚のアドバイスもあり、建物の概要がほぼ固まった段階で、代官山の開発行為や建築行為などの『代官山ルール』を定めている『代官山ステキなまちづくり協議会』に事前に説明に伺いました。母や親族のこともよくご存じで、この土地を継承していくことに対してありがたい言葉をいただいたことが印象に残っています。真向かいの代官山ヒルサイドテラスの管理運営会社にもご挨拶に伺い、建設期間中、様々な場面で多くのご理解とご協力をいただきました。これまで代官山の街並み、景観を維持してきてくださっている地域の皆様のご苦労にあらためて感謝の気持ちが湧いてきます」

「情報収集をしているうちに近年の酷暑や豪雨などの気候変動、地震その他の災害に十分には対応できていない日本の住宅の問題を意識するようになりました。エネルギー自給率が低い日本の将来を考えると、その備えも必要でしょう。そこで安全で快適、エネルギー効率も高く、かつ高級賃貸物件としてのデザイン性、開放感を兼ね備えた、これまでにない賃貸住宅を目指すことにしました。理想はエアコン、床暖房なしでも快適に過ごせる住まいです」

VILLA YUI DAIKANYAMA リビング

VILLA YUI DAIKANYAMA リビング

採用したのはSE構法です。SE、つまりSafety Engineering(工学的に安全)構法とは1995年の阪神・淡路大震災を教訓に開発された木造住宅に鉄骨造やRC造(鉄筋コンクリート造)のような「ラーメン構造」を取り入れたもの。全棟で科学的な構造計算を行っており、高い耐震性と大空間を両立している木造建築工法です。

「一般的な賃貸住宅とは桁違いの性能を備えた住まいを建ててくれました」

たとえば、VILLA YUI DAIKANYAMAは長期優良住宅の認定を受けていますが、2009年に始まった同制度で2025年度末に認定を受けた一戸建ては全体の49.8%。制度誕生から16年経って割合が半数近くになったことがニュースになったほどです。

また、設計住宅性能評価書も取得しており、耐震性能、断熱性能、省エネルギー性能、劣化対策性能はいずれも最高レベル。注文住宅として考えても遜色ない性能を備えた住まいになっています。

これからのエネルギー事情を勘案して太陽光発電、蓄電池が用意されており、インナーガレージには2台分のEV充電設備も設置されています。しかも、1台分は通常用意される3kWの2倍、6kW相当の充電器を備えています。ご存知のように多くの電気自動車はV2H(Vehicle to Home)に対応、つまり災害時には電気を住宅に供給できるような仕組みを備えており、住宅側でもV2H対応の設備も用意。利便性、環境を備えた代官山という稀有な立地にふさわしいレベルの安心で快適なVILLAが建設されたというわけです。

駐車場

駐車場

より良いものを目指してチーム一丸となって試行錯誤を楽しむ

といっても、もちろん、これだけの住宅を建設するためには試行錯誤も必要でした。

性能については高いものをという点で意見は一致していたものの、内装などについては繰り返しアイディアを出し合いながら丁寧にひとつずつ詰めていったそうで、それが他では見たことのないような空間に結実しました。たとえば、2階のリビングに面した廊下の壁は淡いグレイを基調にした繊細で不思議な模様になっているのですが、実はこれは石。といっても石を積んだり、貼ったりしたものではありません。

「当初は白い壁にする予定でしたが、階段のある吹き抜けの大空間です。ここが住宅全体の印象を左右しかねません。そこでどうするかを関係者一同で何度も検討。最終的には設計者からの実際の石を使いましょうという提案で決まりました。といっても石の表面を薄くスライス、それを1.2m×0.6mの板に貼ったもの。自然の品ですから他に同じものはなく、もちろん、模倣もしようがありません。オンリーワンとはこういうものを言うのでしょう」と企画部の石山泰央さん。

壁面デザイン

壁面デザイン

建築中により良いものを目指すために設計を変更した点もあります。たとえば1階にある個室2室にはウッドデッキ、水栓が用意されていますが、ここは最初、腰高の窓を設置、戸外は植栽で彩られる予定でした。

「注文住宅と違い、賃貸住宅では住む人が後からいろいろ使い方を選択できるよう、使えそうな空間はできるだけ使えるようにしておくことが大事です。そこでウッドデッキに水栓を用意、子どもの遊び場や愛犬を放せる場などとして使えるようにしました。幸い、Mさまもウッドデッキがあると良いと思っていらっしゃり、実現しました」と渋谷代官山支店の川﨑さん。

1階ウッドデッキ

1階ウッドデッキ

このような形でインテリアから設備に至るまでパースを見ながらオーナー様、設計者、そしてケン・コーポレーションの企画部、営業担当がやりとり、あちこちでより良いものを目指す変更が行われたのだとか。もし、見学に行かれたなら、ぜひ、そのあたりは説明していただくと面白いはず。

住戸内を貫く階段、手すりは最初黒になる予定だったそうですが、それが現在は白。もし、黒だったらどうかと想像してみると、そうした積み重ねがうまくそれぞれの場にマッチ、今の空間になっていることがお分かりいただけるでしょう。

階段

階段

住戸内あちこちに見どころ、工夫、暮らしを彩る仕掛けが

実際の建物を見ていきましょう。2階部分に縦長の窓が並ぶ端正な外観のVILLA YUI DAIKANYAMAはSE構法(木造)3階建て。専有面積は215.53㎡、65.2坪あり、1階正面にはハイルーフ車も駐車可能な2台分のガレージがあります。近年、大型車が停められる駐車場は数少なく、住宅よりも駐車場探しに苦心すると聞きますが、ここならそんな苦労は不要です。

(左)中川寛子氏 (右)VILLA YUI DAIKANYAMA オーナー Mさま

(左)中川寛子氏 (右)VILLA YUI DAIKANYAMA オーナー Mさま

ケン・コーポレーション企画部 石山泰央シニアマネージャー

ケン・コーポレーション企画部 石山泰央シニアマネージャー

住戸内1階には開放的な玄関から廊下の奥に、家族用のトイレ、パウダールーム、バスルーム、そして間にウォークスルーのクロゼットを挟んだ10帖、7.4帖の2室です。高断熱のサッシの外には前述のウッドデッキも。

そして緩やかで幅の広い階段を上がっていくと左手には前述した、石を削いで作られたオリジナルな壁面が広がります。美術やインテリアに関心のある人なら、「これは?」と思わず立ち止まってしまうだろう空間です。

2階に用意されているのは42.6帖と圧巻のLDK。この空間が圧倒的なのは広さだけではなく、天井の高さもあわせてのこと。リビング部分の、もっとも高いところでは3.3m、ダイニングキッチン部分で2.85mあり、このあたりの縦方向への伸びやかさは一戸建てならでは。マンションにはない魅力でしょう。

このダイナミックなリビングを使いこなすためにと壁面いたるところにピクチャーレール、そして天井にはプロジェクターのための電源も用意されています。スクリーンとして使うもよし、我が家を美術館にするのもよし、いろいろに楽しめそうです。

リビング

リビング

キッチンはアイランド型になっており、複数人で同時に料理、作業ができる広さがあります。注目はイタリアの家電メーカーSMEGの製品を導入していること。同社は日本ではあまり知られていませんが、70年以上にわたってデザインと性能で世界の建築家に選ばれてきたブランド。モダンでいながら温かみを感じるフォルムが特徴で、しかも機能面も秀逸と企画部の岩垂芳佳さん。

「キッチンには大型のレンジを導入しましたが、他メーカーではこの3分の2ほどのサイズしかなく、しかも、オーブン機能がありません。使い勝手、細かい部分のデザインのこだわりを考えて導入を決めました」。

2階はキッチンの隣に3.8帖と広いパントリーも用意されています。キッチンの広さ、充実度に加えてのパントリーですから、料理好きな方にはうれしいところでしょう。

キッチン

キッチン

SMEG製 食洗機

SMEG製 食洗機

パントリー

パントリー

2階ではもうひとつ、来客用のパウダールームが魅力的です。壁面には細長い亀甲型のきらきら光るタイルが貼られており、広さに加え、カウンターの幅もたっぷり。ゆったりくつろいでいただけそうです。

3階は15.7帖のマスターベッドルーム。ウッドデッキのある開放的な空間で、窓辺に立って外を見ると青い空と白い雲、隣接する代官山ヒルサイドテラスの緑が望めるのが魅力。代官山周辺は早くから開発が進んでおり、家やビルがかなり建てこんできていますが、場所によってはこうした自然を感じる眺望も得られるわけです。

ここには夏の強い日差しを防ぐオーニングも用意されています。これはMさまのこだわりだそうで、ちょっとした屋根があることでルーフバルコニーが居心地の良い空間であって欲しいという気持ちから。他では見ない設備です。

パウダールーム デザイン

パウダールーム デザイン

2階ウッドデッキ

2階ウッドデッキ

差別化が生み出す、可能性をひらく賃貸経営

住戸内あちこちに語るべきものがあり、住む人に合わせた選択のある住まいというわけですが、竣工を前にした取材でMさまは最後に「楽しかった」と一言。

「元々、仕事とは関係のない学びや資格にもチャレンジするなど好奇心旺盛で、今回はゼロから学ぶものも多く、しかも、それが家族の資産として形に残る。非常に楽しい経験でした。長期にわたる経営ですから、事業の安定性がとても大切で、そのためには安心して長く快適に住んでいただける住まいであることが大前提です。今はこれから入居される方の感想を聞けることにワクワクしています」

そこまで不動産経営を楽しめたのは物件、賃料を大きく差別化できたため。東京の都心部には新しいマーケットを創出できる余地があるにもかかわらず、高級賃貸の企画やリーシングなどの知見、経験がない場合には近隣マーケットに左右される、不安定な経営を選択せざるを得ません。しかし、一度マーケットから離れ、まだまだ物件の少ない新しい市場、ブルーオーシャンに目を向ければ違う世界が広がっています。あとはMさまのようにその決断ができるかどうかということでしょう。

集合写真

(中央右)VILLA YUI DAIKANYAMA オーナー Mさま (右)株式会社ケン・コーポレーション 渋谷代官山支店 川﨑方義支店長代理(中央左)企画部 石山泰央シニアマネージャー(左)企画部 岩垂芳佳主任

【取材協力】渋谷代官山支店・企画部

【文・構成】中川 寛子 HIROKO NAKAGAWA

(株)東京情報堂代表。街選びのプロとして首都圏のほとんどの街を踏破した、住まいと街の解説者。早稲田大学教育学部で地理・歴史を学び、卒業後は東洋経済、ホームプレス、東京人その他の紙、ウェブ媒体で編集者、ライターとして記事、書籍等を手がけており、主な著書に「この街に住んではいけない」(マガジンハウス)、「解決!空き家問題」「東京格差」(ちくま新書)その他著書、かかわった本多数。日本地理学会、日本地形学連合、東京スリバチ学会会員。宅地建物取引士、行政書士有資格者。

掲載中の施設名・駅名・社員の所属などの情報は2026年9月現在のものです。

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