居抜きオフィスとは?
メリット・デメリットと契約前の注意点

居抜きオフィスとは?メリット・デメリットと契約前の注意点

オフィスの移転を控え、新たに契約するオフィスの内装を活用して内装工事の費用や準備の手間をできるだけ抑えたいとお考えの担当者の方は多いでしょう。

そこで候補に挙がるのが、以前の入居者が使っていた内装や家具を引き継いで入居できる居抜きオフィスです。ただし、何を引き継げるのか、誰の所有物か、誰が修理するのか、退去時にどこまで戻すのかなどは物件ごとに異なります。それらを確認しないまま入居すると、入居後に想定外の費用が生じる恐れもあります。

この記事では、居抜きオフィスの仕組みや、あらかじめ確認しておくべきポイントをご紹介します。居抜きオフィスへの移転を検討している場合はぜひ参考にしてください。

1. 居抜きオフィスとは

居抜きオフィスとは、前の入居者が使っていた内装や家具を次の入居者が引き継いで利用できる賃貸オフィスです。飲食店の居抜き物件と同じ仕組みをオフィスに当てはめた形といえます。
まずは、居抜きオフィスで引き継ぐ対象や注意点をご紹介します。

前テナントの内装・造作・設備などを引き継いで利用するオフィス

居抜きオフィスでは、前の入居者が設置した内装や家具、設備などを次の入居者がそのまま使います。引き継ぎの対象となりやすいのは、主に以下のようなものです。

  • 会議室や受付、応接室などの間仕切り
  • 床のカーペットや天井の照明、窓のブラインド
  • デスク、チェア、キャビネットなどの家具や什器
  • 空調設備や床下の配線など

通常の賃貸オフィスでは、退去する入居者が内装を撤去して入居前の状態に戻す原状回復が求められます。一方、居抜きオフィスではこの撤去をせず、次の入居者へ引き継ぎます。ただし、何をどこまで残すかは、貸主の承諾や前の入居者との合意内容によって異なります。

家具や設備まで必ず引き継げるわけではない

居抜きオフィスでも、家具や設備が必ず付いてくるとは限りません。間仕切りや照明などの造作だけが残る物件もあれば、デスクやチェアまで揃った物件、空調など設備の一部だけを引き継げる物件もあります。

また、募集時点と実際の引渡し時点で残っているものが変わるケースも考えられます。募集資料や内覧時の様子だけで判断せず、引渡し時に何が残るのかを事前に確認しましょう。図面と照らし合わせながら前の入居者や仲介会社と認識を揃えておくと安心です。

2. 居抜きオフィスの契約で確認したい仕組み

居抜きオフィスの契約は、貸主と締結する賃貸借契約と、前の入居者から内装や家具を引き継ぐ取り決めの2つに分かれます。前の入居者の物件をそのまま借りるわけではないことを理解しておきましょう。

ここでは、居抜きオフィスの契約時に確認しておくべきポイントをご紹介します。

居抜きオフィスの契約で確認したい仕組み

Point 1.

新しい入居者は貸主との賃貸借条件を確認する

居抜きオフィスの賃料や契約期間などの条件は、貸主が示す募集条件をもとに決まります。前の入居者の契約内容がそのまま適用されるとは限らず、賃料や初期費用が改められるケースもあります。契約前には、主に以下の項目を確認しておきましょう。

  • 賃料、共益費、敷金などの金額
  • 普通借家契約か定期借家契約か
  • 契約期間
  • 入居審査の内容と提出書類
  • 入居開始日と解約予告期間

また、入居審査も通常の賃貸オフィスと同じく貸主が行うため、審査に必要な書類も準備しておきましょう。

Point 2.

造作譲渡・残置物の扱いは個別に合意する

造作譲渡・残置物の扱いは個別に合意する

内装や家具を引き継ぐ条件は、賃貸借契約とは別に、前の入居者との間で個別に取り決めます。この取り決めは造作譲渡と呼ばれ、無償で譲り受ける場合もあれば、譲渡金を支払って買い取るケースもあります。

募集資料に「造作譲渡金なし」と書かれていても、何がどんな状態で残るのかまで決まっているとは限りません。引き継ぐ品目や金額、引渡し時の状態などを一覧にまとめ、書面で合意しておきましょう。なお、造作の引き継ぎは貸主の承諾が前提となるため、仲介会社を通じて貸主の了解を得ているかも確認してください。

Point 3.

所有者・修繕・撤去・廃棄の責任を明確にする

入居後のトラブルを防ぐため、引き継いだ家具や設備の責任を誰が負うかを事前に確認しておきましょう。
引き継いだ内装や設備の修繕費用は、所有者や契約条件によって負担者が異なります。不要な家具の処分費用や退去時の撤去範囲とあわせて、契約書や合意書で責任の所在を明確にしておきましょう。

貸主、前の入居者、新入居者の役割は以下の表を参考にしてください。

  貸主 前入居者 新入居者
賃貸借契約 新入居者と賃貸借契約を結び、賃料や契約期間、入居審査などの条件を決める 自身の賃貸借契約を解約して退去する。新入居者の賃貸借条件には関与しない 貸主と新たに賃貸借契約を結ぶ。前入居者の契約内容がそのまま適用されるとは限らない
引継ぎ対象 居抜きでの引き継ぎを承諾する 残していく内装、家具、設備を決め、新入居者と合意する 引き継ぐ品目と引渡し時の状態を確認し合意する
費用 賃料や敷金などを受け取る 造作譲渡金を受け取る場合がある(無償で譲る場合もある) 賃料や敷金などに加え造作譲渡金を支払う場合がある
修繕 建物本体や共用部分の設備を修繕する 引渡し後は原則として関与しない 引き継いだ内装や家具、設備について、契約で定められた範囲の修繕を負担する
リース品 原則として関与しない リース会社との契約を解約するか、新入居者への引き継ぎを調整する 使い続ける場合はリース会社との契約を引き継ぐ手続きが必要
撤去・廃棄 原則として関与しない 引き継がないものを退去日までに撤去する 入居後に不要になった家具などは自社の負担で処分するのが一般的
退去時の扱い 原状回復の基準を示し工事の内容を確認する 契約内容に応じて、原状回復義務の取扱いを貸主・新入居者と調整する 契約内容によっては、前入居者が設置した造作も原状回復の対象となる

ただし、上記は一般的な例であり、実際の契約形態や費用・責任の分担は物件ごとに異なります。

3. 居抜きオフィスの主なメリット

居抜きオフィスには、移転費用や準備期間を抑えられるだけでなく、完成したオフィスを見てから判断できるなどのメリットもあります。ここでは、居抜きオフィスを選ぶメリットを4つご紹介します。

居抜きオフィスの主なメリット

1内装工事・家具購入などの初期費用を抑えやすい

居抜きオフィスの一番のメリットには、内装工事や家具購入にかかる初期費用を抑えやすい点が挙げられます。会議室や受付、間仕切りや家具などを前の入居者から引き継げれば、新たに工事や購入をする範囲を減らせます。

例えば、会議室は独立した空間にする必要があるため、扉の設置に加えて空調や防災設備の設置も必要となり、費用がかさみやすいのが一般的です。その点、すでに会議室が設けられた物件なら、その分の出費を省けるでしょう。

ただし、造作譲渡金や傷んだ部分の補修、レイアウトの修正などが必要な場合は、費用が別途発生します。賃料だけで判断せず、入居時にかかる費用を合算した総額で他の物件と比較しましょう。

2入居までの内装工事期間を短縮しやすい

居抜きオフィスでは既存の造作物をそのまま使えるため、入居までの期間を短縮しやすい傾向にあります。

通常の賃貸オフィスでは、レイアウトの設計や見積もり、工事業者との打ち合わせを経て着工することから、完成までに数か月以上かかる場合もあります。しかし居抜きオフィスなら、設計や解体、新設工事の工程を減らせるため、旧オフィスとの二重賃料を支払う期間を短くできます。

一方、入居審査や契約手続き、引き継いだ設備の修繕やインターネット回線の工事などは別途必要です。居抜きオフィスであっても実際に業務を始められるまでの期間は物件ごとに異なるため、仲介会社と相談し、移転希望日から逆算してスケジュールを組みましょう。

3既存の内装・什器を再利用できる

まだ使える内装や什器を引き継げば、新しく購入するものや廃棄するものを減らせる可能性があります。オフィスの多くは、受付や会議室、執務室など、必要なスペースが共通しているため、前の入居者の内装がそのまま役立つケースもあるでしょう。デスクや収納棚などを譲り受けられれば、購入費だけでなく搬入の手間も省けます。

ただし、再利用が成り立つのは、設備や家具の状態が良く、自社の働き方に合っている場合に限られます。古い空調や座り心地の悪い椅子などをそのまま使うと、入居後に修理や買い替えの費用がかさむ恐れがあります。内覧では傷や汚れ、動作の具合まで確認し、使うものと処分するものを仕分けしましょう。

4完成したレイアウトを確認してから使い方を検討できる

図面だけでなく、完成した状態のオフィスを見て判断できる点も、居抜きオフィスならではのメリットです。何もない空間から完成をイメージする通常のオフィスと違い、会議室の広さや席の配置、動線を現地で確認できます。会議室の数が足りているか、執務席から出入口までの移動に無理がないかなど、働く様子を具体的に思い浮かべられるでしょう。

そのまま使える部分と手を加える部分を内覧の時点で切り分けておけば、追加工事の範囲や費用も見積もりやすくなります。

4. 居抜きオフィスのデメリット・注意点

内装を引き継げる点は居抜きオフィスの大きな強みですが、その内装がかえって制約や追加の負担につながる場合もあります。ここでは、契約前に知っておきたい居抜きオフィスのデメリットと注意点をご紹介します。

居抜きオフィスのデメリット・注意点

1レイアウト・デザインの自由度が限られる

居抜きオフィスでは、前の入居者が設置した会議室や間仕切りを使うため、レイアウトやデザインを自由に決めにくくなります。会議室の数や広さ、内装の色合いが自社の働き方やブランドイメージに合わなければ、壁を撤去したり新設したりする必要が生じます。そうなると、既存の造作を壊す費用と新たに設置する費用が両方かかり、逆に割高になる恐れもあるでしょう。

また、間仕切りの変更や設備の移設には貸主の承諾が必要で、ビルによっては工事業者が指定されているケースもあります。変更できる範囲と工事費の目安を、仲介会社を通じて契約前に確認しておきましょう。

2内装・家具・設備の劣化や修繕が必要な場合がある

居抜きオフィスの内装や家具は前の入居者が使っていた中古品のため、傷や汚れ、故障などが見られる場合があります。引き継いだ内装や設備の修繕費用を新しい入居者が負担する場合もあるため、契約前に負担範囲を確認しておく必要があります。

安く入居できても、入居後に設備の修理や什器の買い替えが続けば、居抜きオフィスを契約したメリットがなくなってしまいます。内覧では、見た目だけでなく、設備が正常に動くか、どのくらいの期間使われてきたかも確認しましょう。不具合が見つかった場合は、引渡し前に前の入居者が直すのか、引き継いだ後に自社で対応するのかを取り決め、書面に残しておくと安心です。

3希望条件に合う物件と募集タイミングが限られる

意外と知られていないのが、居抜きオフィスは希望に合う物件と募集のタイミングが限られている点です。

居抜きでの募集では、前の入居者が退去するまでに次の入居者が決まることを条件に貸主が認めているケースが多くあります。期限までに次の入居者が決まらなければ原状回復工事が始まるため、募集期間は短い傾向にあります。入居日も前の入居者の退去日に合わせて決まるため、希望の時期と合わないことも考えられるでしょう。

さらに、Webサイトに掲載されている募集にすでに申し込みが入っていたり、条件が変わっていたりすることもあります。気になる物件を見つけたら、仲介会社に最新の状況を確認し、公開前の情報も早めに教えてもらえるよう、希望条件を伝えておきましょう。

4退去時に引き継いだ部分まで対応が必要になる場合がある

居抜きで入居したからといって、退去時の原状回復が不要になるわけではありません。契約内容によっては、前の入居者が設置した造作についても、新しい入居者が退去時の原状回復義務を負う場合があります。この場合、自社が設置していない間仕切りや内装の撤去や修繕まで求められる恐れがあります。トラブルを防ぐためにも、退去時に何をどこまで戻すのかを入居前の時点で確認し、原状回復の基準がわかる書類や見積もりを取り寄せておきましょう。

なお、貸主が認めれば、自社の退去時に居抜きで次の入居者へ引き継げる場合もあります。

5. セットアップオフィスとの違い

居抜きオフィスとよく比較されるのが、すでに内装が施された状態で入居できるセットアップオフィスです。入居時の工事を減らせる点は居抜きオフィスと共通していますが、内装を誰が用意したかに違いがあります。
ここでは、居抜きオフィスとセットアップオフィスの違いを見ていきましょう。

大きな違いは『誰が用意した内装を利用するか』

居抜きオフィスとセットアップオフィスの大きな違いは、内装を誰が用意したかです。居抜きオフィスは前の入居者が設置した内装を引き継ぐのに対し、セットアップオフィスは貸主が次の入居者のために用意した内装を利用します。そのため、家具の扱いや修繕の負担、原状回復の範囲に違いがあります。
居抜きオフィスとセットアップオフィスの主な違いは以下を参考にしてください。

セットアップオフィスとの違い
  居抜きオフィス セットアップオフィス
内装の出所 前入居者が設置した内装や造作を引き継ぐ 貸主が次の入居者に向けて整えた内装や設備を利用する
家具・什器の扱い 前入居者が残したものを引き継ぐ場合がある。対象や無償・有償は前入居者と個別に合意する 貸主が用意している物件もある。どこまで揃っているかは物件ごとに異なる
修繕負担 引き継いだ内装や設備の修繕負担は、所有者や契約条件によって異なる 貸主が整えた内装や設備は貸主側で修理するのが一般的
退去時の確認 契約によっては、前入居者が設置した造作も原状回復の対象となるため、撤去・修繕の範囲を確認する 貸主が整えた内装と自社で追加した造作とで扱いが分かれるのが一般的。戻す範囲を契約で確認する

なお、上記は一般的な内容であり、設備や内装の具体的な扱いは物件や契約ごとに異なるため、それぞれの契約書で確認しましょう。

6. 居抜きオフィスの内覧・契約前に
確認したい5つのポイント

居抜きオフィスにおいて、何が残るのか、誰のものか、誰が直すのか、退去時にどうするのかが曖昧なままだと、トラブルに発展する恐れがあります。トラブルを防ぐためにも、ここでご紹介するポイントを押さえておきましょう。

Point 1.

引き継ぐ造作・家具・設備と所有者

内覧では、現地にある造作や家具、設備を一覧にまとめ、それぞれの扱いと所有者を確認してください。引渡し時に残るものと前の入居者が持ち出すものが混ざっているかもしれません。以下の項目をチェックしておきましょう。

  • 引渡し時に残るのか、撤去されるのか
  • 前の入居者のものか、リース会社など第三者のものか
  • 譲渡金がかかるのか、無償なのか
  • 取扱説明書や保証書、鍵、リモコンなどの付属品が揃っているか

作成した一覧は、図面と照らし合わせて前の入居者や仲介会社と共有し、引渡し当日に現物と見比べられるようにしておくと安心です。

Point 2.

現在の状態と修繕・交換の負担

内装や設備は、傷や汚れなどの見た目だけでなく、実際に動くかどうかまで確かめておきましょう。特に空調や照明、会議室のモニターや音響機器などは、電源を入れて動作を確認してみてください。椅子のがたつきや引き出しの開け閉めなど、家具を使ったときの使用感まで見ておけば、入居後の買い替えにも備えられます。
もし不具合が見つかった場合は、引渡し前に誰がどこまで直すのかを決めておく必要があります。入居後に故障したときの費用負担や、メーカー保証が残っているかどうかも確認しておきましょう。

現在の状態と修繕・交換の負担

Point 3.

通信・電源・空調・防災・セキュリティ

前の入居者が使っていた回線や配線がそのまま入居後に使えるとは限りません。通信会社や契約の種類によっては回線を新たに引き直す工事が必要となります。
設備面では以下の点も確認しておきましょう。

  • 使う機器に対して電源の容量が足りているか
  • 床下に配線を通せるOAフロアかどうか
  • 空調は区画ごとに操作できるか、使える時間帯に決まりがあるか
  • 入退館の方法を引き継げるか

また、間仕切りを動かす場合に消防設備の追加や消防署への届出が必要になるケースもあります。追加工事ができる範囲や指定業者の有無についても、仲介会社を通じて貸主に確認しておきましょう。

Point 4.

賃貸借条件と造作等の引継ぎ条件を文書で確認する

契約前に必ず目を通しておきたいのが、賃貸借契約と造作の引き継ぎに関する書面です。口約束だけで進めると、入居後に「聞いていた内容と違う」とトラブルになる恐れがあります。
書面では、主に以下の項目を確認しましょう。

  • 引き継ぐ対象物の一覧と金額
  • 引渡し日と引渡し時の状態
  • 引渡し後の不具合について、前の入居者が責任を負わないとする条項の有無
  • 造作の引き継ぎについて貸主の承諾を得ているか

現状のまま引き渡す条件になっている場合は、入居後の修理がすべて自社負担となる可能性もあります。判断に迷う条項があれば、署名・捺印の前に仲介会社や弁護士などの専門家に相談してください。

Point 5.

退去時の原状回復・撤去範囲を入居前に確認する

退去時の原状回復・撤去範囲を入居前に確認する

居抜きオフィスは退去時の対応が契約によって変わるため、事前に原状回復の範囲を確かめておく必要があります。引き継いだ造作を残したまま退去できるのか、撤去して元に戻す必要があるのかなどをチェックしておきましょう。また、自社で追加した間仕切りや配線をどこまで戻すかも把握しておくと安心です。

予算に合った物件を選ぶためにも、入居前に原状回復の見積もりを取り、入居から退去までの総額で他の物件と比較してください。

7. 居抜きオフィスが向いている企業・
向いていない可能性がある企業

居抜きオフィスが自社に合うかどうかは、前の入居者の内装をどこまで活かせるかで決まります。ここでは、居抜きオフィスが向いている企業とそうでない企業をご紹介します。

月額賃料に何が含まれるか

向いている企業

居抜きオフィスが向いているのは、既存の内装を大きく変えずに活用できる企業です。以下のようなケースが当てはまります。

  • 会議室の数や席の配置など、既存のレイアウトが自社の働き方に近い企業
  • 内装工事にかける費用を抑え、事業や採用に資金を回したい企業
  • 増員や拠点の開設のため、早めに新しいオフィスを使い始めたい企業
  • 引き継げるデスクや収納棚を活用し、家具の購入を最小限にしたい企業

ただし、上記はいずれも、物件の条件が自社の希望に合っていることが前提となります。内装の状態や引き継ぎの条件を確認したうえで、通常のオフィスと総額で比べて判断しましょう。

向いていない可能性がある企業

自社ならではの空間づくりや設備へのこだわりが強い企業には、居抜きオフィスは合わないことも考えられます。以下に当てはまる場合は慎重に検討しましょう。

  • ブランドイメージを表す独自の内装や特殊な設備が必要となる企業
  • 会議室の配置や間仕切りを大きく変える必要がある企業
  • 家具や設備は新しいものを使いたいと考える企業
  • 数年以内に大幅な増員が見込まれ、レイアウトの変更が想定される企業

このような企業の場合、居抜きオフィスを選ぶと既存の造作を撤去する費用がかかり、かえって割高になることが考えられます。

8. 居抜きオフィスに関するよくある質問

最後に、居抜きオフィスについてよく寄せられる質問をQ&A形式で整理します。

Q 1.

居抜きオフィスには家具も必ず付いていますか?

家具が必ず付いているとは限りません。間仕切りや照明などの造作だけが残る物件もあれば、家具の一部や空調などの設備まで引き継げる物件もあります。内覧時に置かれているものであっても、前の入居者が退去時に持ち出すケースもあるため、引渡し時に何が残るのかを一覧で確認しましょう。

Q 2.

居抜きで入居すれば原状回復は不要ですか?

居抜きで入居しても、退去時の原状回復が不要になるとは限りません。契約内容によっては、前の入居者が設置した造作についても、新しい入居者が撤去や原状回復を求められる場合があります。自社で追加した工事も含め、どこまで戻すかは契約によって異なるため、入居前に確認しておきましょう。

Q 3.

居抜きオフィスの内装は変更できますか?

内装の変更は、物件によって認められているかどうかが異なります。ただし、間仕切りの撤去や設備の移設には貸主の承諾が必要で、工事業者が指定されている場合もあります。また、変更した部分を退去時に元に戻すよう求められる可能性もあるため、工事を始める前に条件を貸主や仲介会社に確認してください。

9. まとめ|居抜きは『引き継ぐ範囲と退去時の責任』
まで確認して選ぶ

居抜きオフィスでは前の入居者の内装や家具を引き継げるため、内装工事の費用や入居までの期間を抑えられます。一方、造作や設備の状態、所有者や修繕の負担、賃貸借契約や原状回復の条件は物件ごとに異なるため、あらかじめ慎重に確認しておく必要があります。

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